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うしろの人のちょっといい話 [日記]

前回の続きです。「いろんな存在が見える」人が言いました。花火大会のかえりに親族がおりた駅。みんなが歩いているうしろからついてきた存在がいる、と。

本人はづづけます。
「でもほんと、いやな感じじゃないの。あのとき、親族が歩いていてそういう血縁の自然な流れっていうのかな、そういう中にいてすごく自然な人だったの」

はっとする私。
「お父さんだ!どんな服だった?」
彼女は父の顔を知りません。
「そんなのまで見えないよ。輪郭とか雰囲気くらいしか、わからないの。でもそうね、和服着てるみたいだったかなあ。こう、前の襟が合わさってる感じ」

「お父さんだ!和服も好きだったもの。歳は50くらいでしょ?」
「うん。でも、あの人とはちがうしなあ」
「えっ? あの人って、またどっかで見たの?」
「ここで」
絶句。

彼女が言います。
「今日じゃなくて、私が泊まった晩。あなたがほかの部屋にいたとき、私のいた部屋へすーっと入ってきたの。その人、私を見てね、ベッドから見える廊下のとこで正座したの。それで私になにか言おうとしたんだけど、そのときあなたが、あっちのドア開けて入ってきたの。そうしたら、消えちゃった」

「消えた?なんで?それへんじゃん」
「そんなこと言われても私はしらないの」
「で、どんな感じだった?」
「そうね、歳は40すぎてるわね。髪はオールバック気味の輪郭に感じたけど」
息をのみました。

「それがお父さんだ……じゃあ、駅のはもしかしたら平吉おじちゃんかもしれない」

お盆にお墓参りをした、おばちゃん(母の姉)の旦那さんです。『血縁の自然な流れのなかにいる人』といえば、年齢的に男性はあの人しかいません。

お父さんが亡くなってからも私をかわいがってくれた人でした。歳は60歳くらいで亡くなっています。

「そういえばそのくらいの歳だったかなあ」
彼女がつぶやきました。

やっぱりお盆って、みんなかえってくるのかもしれませんね。





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