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ガーガー言うアナウンス [日記]

ある地方の花火大会。これからはじまるというときに流れたアナウンスです。

『○○橋の下流のみなさ~ん、至急移動してください!花火があげられません!移動してください!』

見物人たちはどこが○○橋なのかわからず、キョロキョロ。ここも橋のそばなのです。女性の声はさらにとがってひびきます。

『みなさんが待っていらっしゃるんです!花火があげられないんです、移動してください!』

見物人たちはいらいらしてきました。

「なんだよ。どこだよ?!」「ここじゃねえよなあ、まさか……」「はやくどいてやれよ」などと、だれかれともなく声をあげます。

私はやっぱり会場整理の人間がこないことだし、やっぱりここじゃないだろうと確信をもちました。

うるさいアナウンスへの怒りが高じてきたようで、こんな声も。

「アナウンスでガーガー言うのは逆効果だよ。いい大人がスピーカーでああしろ、こうしろって言われたらおもしろくないにきまってるよ。これじゃ運動会の練習で、先生が生徒をおこってるようなもんだ」

それはそうだけど。さらに、私たちのすぐそばにいた、女性連れの30歳くらいの男性が、あたりに聞こえるように言います。

「いまさらそんなこと言うのがおかしいんだよ!最初から入っちゃだめなところは『立ち入り禁止』の立て札立てて、ロープでかこっときゃいいんだよ!」

男性のほうを見ながら、あるいは見ずに、うんうんと同意しているまわりの人々。

十分ほどして、ふいにいままでのことがなかったような明るさで、女性のアナウンサーの声が響きました。

『おまたせいたしました、それでは花火大会のはじまりです! 』

「おおっ~!」と、やけくそぎみの歓声と拍手があがりました。


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